第3回: Flow
今回はFlowについてです。お付き合いください。
Editに詳しくない人のために書いとくと(そんな人がこのブログを読むのかね。)、Flowというのは動画全体の「流れ」のことです。最初から最後まで流れるように見ることができる動画には「good flow!」。なんか途中でよくわからなくなってしまう動画は「bad flow :(」ということになってしまいます。EditはFlowが9割なのです。
いろいろな、いわゆる「Edit用語」みたいなものの中で、最も文字で伝えるのが難しい言葉ではないのかネ。
なので早速例を挙げます。今回は私の過去の動画から悪い例です。
先に言っておきますと、Flowどうこうよりも音量がやばいので要注意です。
いかがでしたでしょうか。
今になってこの動画を見直すと、「もう全くわけがわからないヨ」と言った感じですね。
この動画は当時、Dynamic-ArtsへのApp Clipということで、いろいろやりたいことを詰め込んだものになりました。0:17のシーンは、「Editor人生で一度はやってみたい演出ベスト3」に入るのではないでしょうか。Katha様の「SUSPENSION OF DISBELIEF」からです。
話は逸れますが、Kathaの所属しているスタジオが一部VFXを手がけた映画、「The Collection」は見ましたか?日本版だと、「パーフェクト・トラップ」です。
怖い映画なのですが、悪役がめっちゃかっこいいので見る価値ありです。エンドロールにKathaもいます。
話を私が作った悪い例に戻します。
この動画のどこが悪いのかというと、0:18からのFlowがやはりやばい(分析)
リズムは合っているけどただリズムが合っているだけの典型的パターン。
全く繋がりのないシーンを適当に配置した感じになっています。
正直、言葉で説明できるのはこれくらいなので、良い例を見てもらおうと思います。
良いものをたくさん見て、目を養いましょう。
私の思うEdit界のFLOW KINGは三人いて、一人目はflaxです。
最近はダイジェスト、ハイライト系の動画ばかり上げていますが、以前はFLOW KINGとして名を馳せていました。昔からのCS系Editファンの方はご存知でしょう。
なかでも、Flowを学ぶ教材として最適なのがこの動画。
どうですか。何度でも見られますよね。
Flowがいい動画は、「何回でも見られる」というのが特徴なのかもしれません。私の目指しているのもそんな動画です。
彼のFlowを支えている技術で忘れてはならないのが、pan/cropです。
拡大と縮小のことだと思ってくれて問題ありません。
このpan/cropが彼の動画はとんでもないことになっています。
何度かEdit配信を見たことがあるのですが、1クリップあたり5秒くらいで終わらせていて、はたから見たら適当そのものでした。もちろん全て手付けです。
そんな超適当pan/cropが、完成した動画を見るとこうなっているわけですからもう理解不能です。おとなしく動画をダウンロードしてコマ送りにしてお勉強するとしましょう。
コマ送りはEdit練習の基本です。高い金だしてプロジェクトファイルなんて買わなくても得られるものはたくさんあります。そもそもプロジェクトファイル売ってる人、ちょっと高すぎやしませんか?だれかすごいEditorが100円くらいで売り出して価格崩壊が起きることを願います。
flaxの動画から得られたのは、「pan/cropがいいFlowを作る1つの要素である」ということでしょう。
次に二人目のFLOW KINGを紹介します。
私とDualしてくれた経験もあるKewyくんです。
Kewyくんは、エフェクトやsmoothや細かいところがすごく適当だったりということはあるのですが、それを補って余りあるFlowの持ち主です。
そんな彼の動画で印象的なのが、こちら。
とてもいいですよね。
特に0:10~0:17あたりや、0:30~のシーンなんて最高です。
flaxのFlowを清流だとすると、Kewyのは雨が降った次の日の川のようです。
つまりパワフルで力強いということです。
KewyのFlowを支えているのは、flaxと同じくpan/cropと、歪ませる系のエフェクトかなと思います。
各自ダウンロードしてチェックするように。
三人目の紹介は次回にします。ヒントは特徴的な三人称視点です。Editオタクの皆さんならもうお分かりですね。
ではまた次回(y)